インフォメーション

月に一度、さまざまな一次産業に関係する人たちとカウンター越しに語り合うLiV×LiVEs(リヴ×ライブ)。毎月変わる一夜店長。普段なかなか知り合う機会のない彼らが、どんなことを思い、どんな仕事をしているのか、生の声を酒の肴に交流を楽しむイベントです。

過去の開催レポートはこちらをどうぞ↓↓
Part1:むなかた鐘崎の海女ちゃん
part2:川上農園の3代目、耕太さんとしのぶさん
part3:古賀市From Tomato佐々木悠二さん
part4:鐘崎漁港の若手漁師 宗岡さんと権田さん
part5:宗像日本酒プロジェクト〈 農家/福島光志、石松健一郎、酒造/斉田匡
part6:しまカフェ〈草野結実/musubi cafe、豊福未紗/フィッシャーマンキッチン、成田由子/エンジニア〉

 

7回目の店長はとまとのまつお代表松尾康司さんと森美穂さん

7回目の一夜店長はとまとのまつおの代表松尾康司さんと、長年松尾さんをサポートする森美穂さんのお二人です。

福津市のトマト農家の長男として生まれた松尾さん。実家は弟が継ぎ、自身はサラリーマンとなりますが、さまざまな転機と農業への熱い想いから9年前に脱サラして新規就農することに。家業の農家を小さい頃から手伝っていたので全くの素人ではないものの、待ち受けていたのは新規就農者が直面する多くの壁と若手農家が育ちにくい日本の現状。今の日本農業業界の中でどう生き残っていけばいいのか、試行錯誤しながら取組んでいることや、農業に対する想いについて話していただきました。

 

本日のドリンクとつきだし

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松尾スペシャル

本日のオリジナルドリンクは松尾スペシャル!ノンアルコールバージョンは1年ほどたっぷりミニトマトを漬け込んだ【トマト酢】を炭酸で割り、果肉を潰しながらいただきます。アルコールバージョンはこれをウォッカ、またはジンで割ったもの。

ほんのりただようトマトの香りは爽やかで、潰しながらいただくトマトの果肉は熟成していてまるでジャムのようでした!

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まつお万能ソースとアイコのカプレーゼ

クリームチーズとトマトのアイコ【まつお万能ソース】をかけていただきます。何にかけても美味しい【まつお万能ソース】と、愛情込めて作られた甘くてフルーティーなアイコにクリームチーズのコラボレーション…美味しくないはずがありません。

気になる万能ソースについては6次産業に取り組んだきっかけとともに後に詳しく触れるのでこうご期待!

 

最強のビジネスパートナー、森 美穂さん

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松尾さんといつも一緒にいるので奥さんとよく間違えられるそうです

森美穂さんは松尾さんが農業を始めて2年目から勤めている社員さん。「いつも一緒にいるので奥さんと間違えられるんですけど、最強のビジネスパートナーです」と話す松尾さん。この日も松尾さんが話に専念できるようカウンター内の仕事を全て引き受け、ドリンクのオーダーやつきだしの準備をテキパキとこなしていました。

3人の子を育てる森さんはとても料理が上手で、昨年念願かなって福津市にナチュラルキッチンもり】をオープン!地産地消にこだわり、昼はホットサンドワッフル、スムージー、夜は居酒屋メニューコースなど、幅広く提供しています。季節によっては松尾さんのいちごを使ったフルーツサンドもあるのでぜひホームページをチェックしてみてください!

 

松尾さんのお話

松尾さんはもともと話をするのが好きで人前で話すのも抵抗がないタイプ。飛び交う質問に応えながらいろいろなお話をしてくれました。

 

■どうしてトマト栽培?

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カウンターの外で話をする松尾さん

松尾さんは宗像市と福津市にビニールハウスでトマトいちごを栽培しており、その栽培面積は約6000㎡(6反)。6000㎡というと、イメージ的には小中学校のプール16個分の広さ。結構広い気もするのですが、松尾さんは「6000㎡しか…」といいます。

「既存の親元就農の人たちはその10〜20倍の土地を持っています。新規就農の際、最初は土地を貸してもらうところから始まるんですが、農家の人に2ヶ月も3ヶ月も営業してやっと手に入れたのがこの広さです。遊休農地があると言われますが、土地の持ち主は自分の身体が動くうちは土地を譲ってくれません。ハウスを建てたいなんて言うとあげたも同然ですから、ますますハードルも上がってしまいますし」。

宗像市における新規就農者の中ではトップクラスの面積をもつといえど、新規就農者と親元就農者との間にはスタートから大きな差があるんですね。

「結局、やっと借りることのできた限られた土地では、初期投資の返済や生活があるので、必然的に単価の高いトマトやいちごなどを作る、ということなります」。

 

■時代による野菜の価格破壊と追い込まれる農家

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話の参考にと準備していただいた資料

高単価と言われるトマトやいちごに限らず、一世代前に比べて野菜の値段がかなり安くなっているのが農家にとって大きな問題であるといいます。

「トマトは昔4玉が400円くらいで売られてましたが、今じゃ直売所で160円くらいになっています。つい先日、4玉120円で売られているのを見たときは思わず写真を撮ってしまいました…。衝撃でしばらくドキドキしていましたね、大丈夫なんだろうかと…」。

消費者としてはどこか遠くの国から運ばれてきた野菜よりも地元の季節野菜を食べたいと思うのが本音。けれど、普段私たちの食卓に上がる身近な野菜を作っている地元生産者も今の世代が最後かもしれないといいます。

「今の季節市場に出るナスやキュウリなどの夏野菜も地元の農家さんが作らないと新鮮なものは食べられないんですが、今の市場では値がつかない、作っても利益にならないのが現状です。農家さんにも生活がありますから、利益の出る野菜にシフトするようになります。そうして単価のいい野菜が偏って市場に増えると値段の叩き合いが起こる。高かった単価が下がる。価格が落ちて利益が出なくなる。その野菜が作れなくなる…こういう悪循環が起こっているんです。四季成りの野菜は北海道産や長野産など、地元以外の産地の野菜しか食べられなくなってしまうでしょう」。

直売所で安く売られている野菜たち。消費者としては嬉しいのですが、その裏では「その価格まで下げないと競争に負けて売れ残ってしまう」という生産者の苦渋の想いがありました。一生懸命作ったものが値段に負けて売れない。売れ残りは生産者自らが引き取るルールなので、持ち帰るくらいなら値を叩いて売りつくしたいと思うのは自然なことです。一消費者として考えさせられます。

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まじめな話も笑いを交えて話す松尾さん

「もともと直売所は良い品質のものが評価されて高く売れる場所でした。ですが今はそこで価格破壊が起こっています。誰でも自分の作ったものを置ける点では、こだわって作ったミニトマト家の隣の小さな畑で獲れたミニトマトも、同じミニトマトとして並ぶわけです。一方が400円、もう一方が200円だったら消費者がどう思うかというのは容易に想像できますよね。

年金をもらいながら農業をしている年齢の方ならまだしも、若い新規就農者は初期投資を返済しながら就農しています。高く売りたいというよりは、こだわりを正当に評価されたい。それじゃあ標準価格や適性評価とは何なのかという話になってくるんですが、こういう点は漁業の世界と全く同じでしたね。権田さん(※)ともよく話をするんですが、安く売っても生活が成り立つ人たちと同じルートに立ってはいけないんです」。

権田さんLiVE×LiVEs Part4に登場した鐘崎の若手漁師さん

 

■若手の新規就農者が生き残る道は?

「正当に評価してもらうためには、付加価値ブランディングというところを作っていかなくちゃいけないと思っています。付加価値を消費者に感じてもらうための特徴ストーリー…農家一人ひとりが魅力をアピールする努力をしなくちゃいけない。あとは販売戦略です。まずはどうやって目を向けてもらうのか、どうやってリピートにつなげていくのか。

農商工の連携といいますか、自分にできないことはその道のプロにお願いする・聞くということが解決策なのかなと思っています。1の輝きしかないこの商材をどうすれば10できるのかというのを一緒に煮詰めてくれる人を求めて、このような場に立っているのもあります。ドラクエでいうパーティーを組むように、得意分野を持ち寄って一緒にやっていくしかないのかなと思います。」 

 

■気になる【まつお万能ソース】

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英語表記は“スペシャルソース”!

松尾さんはトマトの1の輝きを増す試みとして6次産業にも挑戦しています!その一つが、つきだしのカプレーゼにもかかっていた【まつお万能ソース】。フルーツトマトとしいたけ、玉ねぎやごまなどが絶妙なバランスの一品で、お肉や揚げ物、今の季節には冷麺や冷しゃぶにもよく合うそうです。商品化しているものには万能ソースの他にもケチャップやトマトドレッシング、トマトスープやトマトカレーがあります。

加工製造するのは日本に3人しかいない、難関資格フードマスターの称号をもつ菱江 隆氏。日本大使館・領事館料理長に就任していたこともある食のエキスパートです!食の安全・安心・無添加にこだわって生み出されました。 

「きっかけは数年前、炎天下で水分調整が難しくなったトマトが割れまくって、200万くらいの損失が出たんです。その割れたトマトで加工品ができないか、相談してことから始まりました」。

農業は自然が相手。水害で沈んでしまえば全滅なんてこともあります。いろいろな知恵を絞り、協力を募り、事業を支える柱を複数もつことも重要なのですね。

松尾さんの商品や菱江氏の詳細についてはぜひホームページ【とまとのまつお】をご覧ください!

製造分野にはフードマスターの菱江 隆氏、とまとのまつおの商品やロゴのデザインはLiVE×LiVEsの企画運営をしている谷口竜平です。できないところは仲間とパーティーを組んで…とはいえ、こんなにジャンルの違う仲間をパーティーに引き入れているとは、やはり松尾さん、只者ではありません…!

 

さいごに

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最強コンビでハイチーズ

「僕みたいに人前で話すのが好きな人はまだしも、中には職人気質の人もいて、技術は高いけどなかなか光の当たりにくい人ってたくさんいます。そういう人も光の当たるところに出して一緒に高めていけたらと思い、今後はトマトに特化した若手トマト団体を作ろうと考えています。

味は美味しいのに売れない…それは知名度が足りなくてお客さんが商品のイメージをできていないから。なのでそういうところを谷口さんにも協力いただきながら、まずは少人数で始めていこうと思っています。情報を積極的にFacebookで発信しているので、どんなふうにトマトを育てているか、見ていただけたら嬉しいです。」

Facebookはほぼ毎日、トマトの生育の様子や一緒に働くパートさん、社員さんの姿がアップされていますのでぜひフォローしてみてください!
>>とまとのまつおFacebook松尾康司さんFacebook

松尾さん、森さん、ありがとうございました!

 

次回予告

次回8月のLiV✕LiVEsはすすき牧場 代表 薄一郎氏です!

からだにやさしい、お米で育てた美味しいお肉ーむなかた牛。

国内の飼料原料の約9割が国外減量に依存しているなか、すすき牧場では資料用米、資料の一部自家栽培、地域の生産者の協力を得てエコフィード(食品副産物)を利用して環境に配慮した食の循環サイクルを構築しています。当日は薄さんの息子さんもお手伝いとして参加します。畜産を通じたこれからのお話、一緒に聞いてみませんか?

「株式会社 すすき牧場」のホームページはこちら 

8月のLiV×LiVEsのイベントページはこちら

取材・文・写真:執行沙恵

月に一度、さまざまな一次産業に関係する人たちとカウンター越しに語り合うLiV×LiVEs(リヴ×ライブ)。毎月変わる一夜店長。普段なかなか知り合う機会のない彼らが、どんなことを思い、どんな仕事をしているのか、生の声を酒の肴に交流を楽しむイベントです。

今回の一夜店長は宗像市の大島で新しく活動を起こしている、3人のパワフルな美人ママさんたち!

 

今夜の突き出し

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大島でしか買えない!?幻のピクルス

今回はおつまみに、なかなかお目にかかれない大島の幻のピクルスを出していただきました。農業をするために大島に移住した家族が作っている、「じゃがいものピクルス」です。洋風と和風の2種類があるのですがどちらもものすごくおいしい!!小さい玉のじゃがいもで、一度蒸したものをピクルス液につけてあるので中まで液が染み込んでおり、食感も新しく絶品です。

自家・自然栽培のじゃがいもで一瓶一瓶丁寧に作っているため一度にたくさん作ることができず、今のところ大島でしか手に入りません。販売自体も不定期で、大島の小夜島の近くに出現するという噂ですがなかなかお目にかかれないそう。

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ラベルデザインはこんな感じ

気になる方はInstagramで「そらまめ農園」と検索してみてください!一瓶600円です。

 

今日のオリジナルカクテル

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スウィートサマー

ピーチベースのリキュールと青いシロップに大島のフレッシュな甘夏を添えた鮮やかなカクテル。甘夏の香りが良く、大島の澄んだ海を連想させます。スイスイ飲めてしまうカクテルでした。

 

本日の一夜店長

この日カウンターに立ったしまカフェの3人は普段どんなことをしているのでしょう?簡単に自己紹介していただきました。

 

豊福美紗さん

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豊福さんは宗像市久原の出身。結婚を機に大島へ移住し、3児を育てています。漁師である夫が釣り上げた新鮮な魚をフライにし、くすの木園で製造したパンで挟んだ「漁師サンド」を、販売用に改造した軽トラックで移動販売しています。手作りのタルタルソースとサルサソースは絶品!市内の祭りなどのイベントに出店したりもしています。

フィッシャーマンキッチンのサイトはこちらから☆

 

草野結実さん

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草野さんは生まれも育ちも大島で、3児の母。大島にはもともと気軽に食事のできる店が少なく、せっかく島に来てくれた観光客がお腹を空かせている姿を目にしていました。そんな「お腹空いた難民」を不憫に思い、「島に来た人が一休みできる場所を」と2016年にmusubi cafeをオープン!甘夏を使ったジュースや地元の食材を使った手作りのメニューを提供しています。

不定休なので、訪れる際は一報入れると確実だそうですよ。渡船場から右手に10分ほど歩いたところにあり、ブランコが目印です。

musubi cafeのサイトはこちらから☆

 

成田由子さん

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成田さんは朝倉市出身。漁師の夫と結婚したのをきっかけに2015年に大島に移り住んできました。福岡市の企業のITエンジニアとして島でリモートワークをしていましたが、出産と子育てのため現在は育児休暇中。移住してしばらくは家にこもっていてそんなに知り合いもいなかったそうですが、豊福さんと知り合ったことをきっかけにどんどん人脈が広がっていったといいます。

実はLiV×LiVEが6/17(月)の開催になったのはこの日が満月だったことが大きく関係していました。満月とイベント開催日に何の関係があるの?

「満月は夫が漁に出られないから、子どもを見ていてもらえるんです」と。いうことで開催日が決定したという裏事情!いかにも島らしい理由ですよね。

成田さんのブログはこちら☆

 

“しまカフェ”について

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本日のお品書き

きさくでノリの良い豊福さんと草野さんがお客さんをいじり倒し、それを微笑ましく見守る成田さん。お酒のオーダーがどんどん進み店内はまるでスナックのよう。(笑)「あなたたちがいたら毎日来るよ!」という声も上がっていました。

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こころなしかいつもより男性参加者が多いような…

その合間を縫ってしまカフェのお話も聞くことができました。

 

どんな活動をしている?

「しまカフェっていうカフェがあるの?」とよく聞かれるそうですが、お店があるわけではなく活動するグループの名前です。グループとしての活動は2017年5月頃から始まりました。

春には甘夏の果汁を絞って業者に販売し、夏には島で行われる竹灯籠祭りの準備などを行っているそう。8月7日の七夕まつりでは補助金を活用して竹灯籠の事業を行い、演出もするそうです。

 

縁結びのご利益「祈り星」

大島は七夕伝説発祥の地とも言われていて、約800年前から現在まで毎年七夕神事が行われています。縁結びのご利益もあるのだそうですよ。

しまカフェでは「祈り星」についてもアシストしてます。

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祈り星の清め方を紹介するチラシ

「祈り星」は同じ色・同じ形状のものがこの世に2つとない、美しいガラスでできています。

宗像大社 中津宮にある天の川へ行って願いを込めながら祈り星を清め、それをお守りとして持っておく。なんともロマンチックなお参りですね。大島に行った際にはぜひ祈り星を手にしてみてください。

 

役割分担

アイデア出しは主に豊福さんと草野さん、そしてそのアイデアを言語化して書類に落とすのが成田さん、というように自然にそれぞれ適した役割分担になっているのですね。

 

いろんなお話をかいつまんで紹介

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談笑する3人

 

Q.世界遺産の登録についてどう思いますか?

「観光地になれば仕事が生まれます。島に来てもらってお金を落としていってもらえたらとは思いました。子どもを育てながらではあるけれど、負担に思いながらではなく、どうしたら自分たちのやりたいように働けるか自分たちには何ができるのかを考えていきたいです。」

 

Q.島って何かと不便じゃないですか?

「島の人たちは今ある状況が当たり前と捉えるので、特に困っているふうではないんですよね。困るという感覚じゃないというか。これは住まないとわからない感覚かもしれないです。(笑)」

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ときにはLiV×LiVEs常連夫婦から円満の秘訣をうかがったり…笑

 

Q.大島にあるもったいない資源とかありますか?

「旅館や民宿が余ってて、もったいないなと思います。でも管理する人たちも高齢化してきているし、若い担い手がいないんです。借り入れをして立て直しても返していけるのかという心配から、なかなか手がつけられない状態が続いていますね。」

 

Q.大島はどんな人にオススメ?

「結構魚が釣れるので、釣り好きの人には人気スポットですよ。一年中何かしら獲れますし、6月今のシーズンはイカも釣れます。」

 

さいごに

大島に限らず、宗像はやりたいことを実現しやすいまちだと思います。大島の人たちはフレンドリーで、行政の人も協力的な人が多いです。いろんな人とつながることでそれまで知らなかったことを知れたり、取り組んでいることに生かせることがたくさんありました。これからもこういう機会を大切にしていきたいです。」

彼女たちはこれからもその明るさと笑顔でたくさんの人たちを惹き込みながら、さまざまな活動を仕掛けていくのでしょう。これからの展開にも目が離せません。

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次回予告!

次回7月のLiV✕LiVEsは宗像と福津でミニトマトとあまおうを栽培する「とまとのまつお」松尾康司さん

企業に勤めていましたが、家業である農業への思いが溢れ農家に転身。自身でゼロからスタートさせます。「これからの農業は?」を問い続け、トマトを加工したケチャップやドレッシングなどの商品化を行ったり、直接バイヤーに売り込んだりと精力的に活動されています。

研修生の受け入れを行うなど若手の育成にも力を入れる、松尾さんが思い描く農業の未来の暮らし[live]や生活[life]に関して、お酒を呑みながら、生[LIVE]で語らいましょう。

 

*とまとのまつおFacebookページはこちら 

■7月のLiV✕LiVEsのイベントページはこちら

 取材・文・写真:執行沙恵

月に一度、さまざまな一次産業に関係する人たちとカウンター越しに語り合うLiV×LiVEs(リヴ×ライブ)。毎月変わる一夜店長。普段なかなか知り合う機会のない彼らが、どんなことを思い、どんな仕事をしているのか、生の声を酒の肴に交流を楽しむイベントです。

 

5月の一夜店長は「宗像日本酒プロジェクト」に関わる3人

5月は酒米を作る米農家の2人と、その酒米で日本酒を造る酒蔵の3人が登場。

有機農業を通じて環境保全を進める「宗像日本酒プロジェクト」について、それぞれお話を聞きました。

 

まずは本日のおつまみ

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福島さんの奥さん作、酒粕ビスケット

香ばしい黒ごまの香りとサクッとした食感、そして後からただよってくる優しい酒粕の気配が絶妙な身体に優しいお菓子。

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塩麹の豚肉炒め。麹を使うとなんでこんなにお肉柔らかくなるんだろう。

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山田錦(酒米)で作った甘酒

もともと酒米として使われる山田錦を麹にして作った甘酒。直売所で売ってみると指名が入るほど大好評に!パウチ加工して販売されてたら絶対買う!ってくらい美味しかったです。

そしてメインのお酒は「山の壽」

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日本酒プロジェクト

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「“自然栽培での稲作は難しくない”このことを一般の人や周りの農家の人に知ってもらいたい。そして、自然栽培の稲作が広がることで田んぼを通る水がきれいになり、川がきれいになり、さらには海がきれいになる環境回復を目的とした活動です。」
発起人、農業福島園 代表福島のその想いから本プロジェクトは始まりました。

これは宗像日本酒プロジェクトのコンセプトの最初の文です。

※全文はこちらから読むことができます!

環境回復を目的としたお米農家さんの活動、というのはわかるのですが、そこに日本酒?どういうことなんでしょうか。少しずつ読み解いていきましょう。

 

農業福島園の福島光志さん

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祖父母が米農家だった福島さんは熊本の農学部に進学。農業全体を見ると農薬を使った栽培がほとんどの割合を占める中、福島さんは自然栽培を教える先生に出会います。

「その先生の周りは無農薬で農作物を育てるのが当たり前の世界だったので、僕自身は農薬を使わないことが怖くもなんともなかったです。でも普通の農家さんは農薬を使うのが当たり前にやってきたことなので、無農薬に転換することがすごく怖いみたいで。だからじいさんとはずいぶん喧嘩しましたね。(笑)」

大学を卒業後、最初の稲作は祖父の教えのもとだったので仕方なく農薬を使うものの、2年目から自然栽培にチャレンジできるようになります。また稲作だけでなくトマトやブルーベリーなど同時に複数の作物にチャレンジしていたこともあり、実際に稲作で生活が成り立つようになるまでには5、6年かかったそうです。

「無肥料は無肥料なりに育ちます。肥料を入れるから農薬が必要になるというのが自然栽培の鉄則のようなものなんです」と福島さん。どういうことなんでしょう?

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紙に描きながら説明する福島さん

<肥料をあげる場合>

稲の成長が促進されるので、株と株の間が密集する
→密度の高いところにウンカという害虫がつき、株の養分を吸ってしまう
→養分がなくなるので実が充実せず、枯れてしまう。これが一種の害虫被害。
それを阻止するために農薬を散布する
→結果的に、米はたくさん穫れるが肥料と農薬がセットで必要になる

<自然栽培の場合>

発育を促進するための肥料を使わないので株と株の間に適度に隙間が生まれ、害虫が好む環境が生まれにくい
→害虫被害が少ないので農薬を使う必要がない
→結果的に収穫できる米の量は肥料を使った場合の6割ほどと少ないが、肥料も農薬も使わないのでその分のコストと手間が省ける

さて、あなたならどちらの方法で栽培しますか?

消費者側からすると「無農薬の方がいい」というのが一般的だと思いますが、農薬ありきでお米を育ててきた農家さんからするとそれは大きなリスクを背負う可能性があるためなかなか方向転換の舵がきれません。農業に従事し始めたときから無農薬が当たり前だった福島さんはスタートから違う道を進んでいたのですね。

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福島さんの商品

農業福島園では直接販売できる流通経路も独自に開拓しています。そのお米に惚れ込んで年間契約する顧客も多く、また同時にお米に付随した様々な商品開発も行っています。

そして約3年前。そんな自然栽培のお米に惚れ込んだある一人の女性が、ひっそりと日本酒プロジェクトの発端を生み出しました。

 

「このお米をお酒にしてくれる酒蔵はありませんか?」

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山の壽を飲みながらトークを楽しむ参加者

その女性は普段から面白いことや魅力的な活動があれば県内外問わずでかけていく方で、福島さんが一般募集している田植えのイベントなどにも参加していました。そしてお酒も大好き!福島園のお米に惚れ込み、知り合いのいる福岡市の酒販店、とどろき酒店に相談をします。

そこでとどろき酒店が紹介してくれた酒蔵が久留米で200年の歴史を紡ぐ「山の壽酒造株式会社」でした。

 

山の壽酒造株式会社

山の壽酒造は久留米市の北野町にある200年の歴史をもつ酒蔵です。その歴史や柔軟な発想を活かした取り組みをパネルとともに斉田さんに説明していただきました。

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斉田さんの話し

山の壽酒造は創業して今年で201年目。江戸後期から始まり、本家の建物は日本の家百景に載るほどの趣を残しているそう!蔵の方は平成3年の台風で全壊してしまったためその後2年の休蔵を余儀なくされるも、今では現代的な設備が整った新しい蔵に生まれ変わっています。

会社のスローガンは「Good time with 山の壽」。「我々は日本酒を売ってますが、単純にお酒を売っているつもりはないです。私達のお酒を飲むことで生まれるいい時間を提供しています」と話す斉田さん。

蔵では年齢も経験年数も関係なく、みんなで知恵を出し合いながら作業を行っているためか、新しいお酒も生まれやすいそうです。

余談ですが先日福岡で行われたG20のレセプションにはなんと、山の壽のお酒が振る舞われています!雄町(おまち)という酒米で、昨年福岡で最高賞の福岡県知事賞をとった純米酒。金賞をとるような酒蔵がプロジェクトに関わっているなんて、なんと心強いのでしょう!

一見すると酒蔵に閉じこもっているようには見えない、どこか垢抜けた雰囲気の斉田さん。実は酒造に関わってからまだ4年ほどなのだそう。それまでは何をしていたんでしょう?

「もともとはカメラマンをしてました。写真を撮りながらいろんなところを旅してたんですが、30代になってからは違うことがしたくなって、北アルプスの山小屋で4シーズンくらい番頭をしたりもしてました」。

かなり自由人なんですね。そして山小屋が閉まって季節労働先を探しているときにたまたま酒蔵の求人を見つけます。「一緒に山小屋にいた仲間に、福井で酒造りをしている人がいたので、酒蔵もいいなと思って」。笑いながら斉田さんは続けます。

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みんな身を乗り出して話に食いつきます

「働いてみたらその所作を見た職員に初日から『斉田さん、なんかもう10年いるみたい』と言われるくらい馴染んでしまって。その後、社内のいろいろに巻き込まれる形でそのまま酒蔵の人になってしまいました。」

プロジェクトが開始して今年で3年目。2017、2018年とも収穫分では1樽(一升瓶にして1000本)分の山の壽が作られましたが、2年とも完売しています。

「作る酒の量が増えることは有機農業の田んぼが増えることにつながります。いずれは10樽分作れるようになって、もっと有機農地が増えていけばいいですね。」

 

米農家 石松さん

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石松さんは福島さんと一緒に宗像日本酒プロジェクト推進会として活動する米農家さん。地域の農地のやりとりの判断や仲介をする宗像市農業委員会に所属しており、福島さんの先輩です。

本来70代くらいで役が回ってくる農業委員を40代の石松さんと30代の福島さんが務めているというのは前例になかったそう。

「農業委員になったことで耕作放棄地や一人あたりの農地面積が増えている現状を日々目にします。宗像日本酒プロジェクトでは収益の一部が地域の環境保全のために使われる仕組みをつくっていく予定です。ここに関わることで同時に環境保全も進めていけたらと思っています。まぁ、お酒が好きなので、それに乗っかりたかったというのが関わることになったきっかけなんですけど。(笑)」そう話しながらも、石松さんはこのプロジェクトの広げ方を模索しているといいます。

さいごに

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これからどのような活動を考えているのでしょうか?

「どうしていかないといけないか、ということを考えています。そもそもネーミングがお酒の名前なのでお酒ありきになっていますけど、将来的にはいろんな酒蔵でいろんな日本酒プロジェクトのお酒ができていいと思ってます。お酒だけでなく寿司専用の米も作れたらいいなと思っていて、酒とお寿司が一緒に提供できる!とかも面白そうだなと。楽しくやっていかないと続かないと思うので、どんなふうにおもしろくしていったら有機農地の面積が増えるかなと思っているところですね。こんなふうにしたらおもしろいんじゃないかな、というアイデアがあれば教えてください。」

楽しく継続していくことが大切!ということで、いろんな人のアイデアを借りながら、助けてもらいながら、農業の在り方が変わるタイミングを待ちつつ、今後もプロジェクトは続いていきます。

自然栽培で作られ、環境保全につながる活動の中で生まれた「山の壽」。酒販店で見かけた際はぜひ手にとってみてください!

 

取材・文・写真:執行沙恵

月に一度、さまざまな一次産業に関係する人たちとカウンター越しに語り合うLiV×LiVEs(リヴ×ライブ)。毎月変わる一夜店長。普段なかなか知り合う機会のない彼らが、どんなことを思い、どんな仕事をしているのか、生の声を酒の肴に交流を楽しむイベントです。

過去の開催レポートはこちらをどうぞ↓↓
Part1:むなかた鐘崎の海女ちゃん
part2:川上農園の3代目、耕太さんとしのぶさん
part3:古賀市From Tomato佐々木悠二さん

 

4回目の店長は若手漁師、宗岡健一さんと権田幸祐さん

4回目のLiV×LiVEsは4月28日、長期GWのあたまに開催しました。一夜店長は保育士免許をもつ宗岡さんと、漁師でありながら雄弁な権田さんのお二人です。

海の幸に恵まれた宗像ですが、その根底を担っている漁師の現状は予想以上に深刻です。参加できた方もできなかった方も、この記事を読んでその現状に少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです!

 

本日のドリンクとお通し

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「鯛とブリの漬け」と「海人ウォーター」

本日のオリジナルドリンクは「海人ウォーター」日本酒「沖ノ島」をトニックウォーターとレモン果汁で割ったシンプル爽やかなカクテルです。見た目が「水」なのでごくごく飲めてしまう危険な飲み物(笑)。そしてお通しは2種類。厚い切り身に絶妙な和風ゴマダレが絡んだ「鯛とブリの漬け」と、醤油の香りが食欲を誘う「イカとブリの白子の煮物」

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「イカとブリの白子の煮物」

煮物にはマヨネーズを添えるのが漁師風ということで、たっぷりマヨネーズと食べていただくとますます絶品でした!みなさんドリンクとお通しをいただきながらあちこちで話の花が咲きます。

 

若手漁師のお二人

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ふたりは同郷の幼馴染(左:権田さん、右:宗岡さん)

彼らは今年35歳。権田さんは漁師歴19年目。宗岡さんが船長を務める共進丸の機関長をしています。宗岡さんは漁師歴13年目。その若さで共進丸の船長を務め、乗組員、炊き出しの女性陣、魚の選別をする選り方(えりかた)さん、トラック運転手など40人の従業員を束ねる水産会社の代表です。

先祖代々漁師家系を継ぐお二人ですが、漁師になるまでにはそれぞれのエピソードがありました。

 

権田幸祐さんの場合

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権田さんが漁師になったのは16歳のとき。親からは「漁師にはならんでよか」と言われ、自身も漁師になりたくないと思っていたそうですが、あることがきっかけで漁師になると決めます。権田さんの漁師デビュー話はご本人の書き下ろし宗像市NPOセンターが発行している「ふらぐ」にコラムとして掲載されているので、こちらをご覧ください!

>>権田さんコラム 宗像海人航海日誌「僕の漁師デビュー」

 

宗岡健一さんの場合

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宗岡さんの家系も先祖代々巻き網漁の網元。「小さいころ船に乗せてもらい、近くで父や一緒に漁に出る近所のおいちゃんたちの姿を見ていてカッコいいなぁとは思っていたものの、工業高校を出て一般の企業に就職しようと思っていました。漁師になる気はなかったですね」。そして高校生のときに姪っ子ができ、面倒をみていると、子どもが好きだという気持ちが芽生えたそう。「こういうことをしてお金がもらえるなんて、なんていい仕事なんだ!」そして保育士を目指して専門学校に通うのです。

 

権田さんの一言

宗岡さんが福岡の専門学校に通っているとき、同じ港町出身の権田さんは宗岡さんの父のもとで漁師の修行をしていました。そのとき地元での飲み会の席で、宗岡さんは権田さんから言われた一言を今でも覚えていると言います。「『共進丸のことは俺に任しとき!』って言われたんです。お酒も飲んでたし、本人は覚えてるかわからないんですけど。その言葉にぐっとくるものがあったのを、今も覚えてます」

保育士になろうと思っていたものの、祖父も父もしていた漁師。姉と妹に挟まれて長男の宗岡さん。「僕が継がなければ跡継ぎがいない状態です。漁師という選択肢は、頭のどこかにはありました。けれど父は一度も漁師になれとは言わなかったんです。工業高校に行くにしても、専門学校に行くにしても、『なんで漁師にならないんだ』とは言わなかった」

それでもいつでも漁師になれるようにと、宗岡さんは専門学生のときに船舶試験の免許を取得します。 

 

いつも応援してくれている母が

保育士の面接では園長先生に正直に想いを伝えました。「家業が漁師なので、何年後かはわかりませんが、継ぐ想いがあります」と。1歳児のクラスをもち、その子達が卒園するまでは保育士をしようと思っていましたが、ある日母から声がかかりました。

「ちょっと戻ってきてくれんかね」

「母は高校に行くにしろ、保育士にしろ、『あんたの人生なんやけん、いいっちゃない』とずっと自分を応援してくれていました。そんな母が、初めて戻ってきてほしいと言ったんです。保育士としては1年しか勤められなかったけど、漁師になることを決めました」

 

世代交代は突然に

漁師になって11年目の一昨年の夏、共進丸の船長をしていた宗岡さんの父が沖で倒れます。急なことではありましたが、その翌日から宗岡さんは船長になったのでした。

「船長になってからは1年半。今はまき網の7隻をまとめる船長をさせてもらっています。あがきながら、頑張っています」

保育士の資格をもつ漁師の船長。一つひとつを噛みしめるように、両親への想いをはせながら語られた言葉からは、これまでの環境に対する感謝があふれていました。

 

厳しい漁師の現実 

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カウンター越しに語らう

権田さんは年々厳しくなる漁業の現実を肌身で感じるといいます。

 

負のスパイラル

「漁師になって19年目になりますが、まず魚の数がどんどん減っています。加えて、売れなくなってきていますし、値段も下がっています。漁師からすると“獲れない、売れない、安いで、負のスパイラルに陥っている状態。2030年までには漁業は滅びる、という学者もたくさんいます」

温暖化の影響で魚が北上しており、近海で獲れていたものも遠くまで行かないと獲れないし、その量も少ない。燃料代ばかりが上がり、以前は4割ほどあった利益率も今では1割を切るのだそう。「燃料代だけで1回沖に行くのに200万くらいかかります」という言葉に参加者の顔が引きつります。

 

メディアの情報とは異なる現場の声

「メディアの情報では『一次産業従事者の漁業者が減っているから増やさなきゃ』と言われたりもしまけど、僕自身としてはもっと減っていいと思ってます」。その言葉に「えぇー」とどよめきが。なぜなのでしょう?

「漁具の発明や、漁船が新しくなっているので漁師一人あたりの漁獲量が増えているんです。漁師は今の半分以上減らないと、みんなに行き渡りません」。これには納得。昔はマンパワーを主戦力としていた部分も、機械化が進むことで効率化されたのでしょう。また漁業に携わる人が多すぎることも問題であると権田さんはいいます。

「獲れた魚を港町だけではなく日本、または世界に広く流通させたいがために流通段階が増えました。今は一般消費者に行き渡るまでに6つも段階を踏んでいます。その過程で一部が儲かってそのしわ寄せが他のところに行く、ということが現状起こっているんです」

 

「乱獲」の問題

魚は人間が獲りすぎると減ってしまいます。そして再びもとに戻るのには2、3年はかかるのだそう。鐘崎で獲れる「トラフグ」など、鐘崎の漁業では一定の水準に達していないフグは獲らずに海に戻すことをルール化していますが、その水準は地域によって異なるそう。

「ここでは獲らずに海に返しても、よその地域、または個人などルールのない環境下で漁をしている人は構わず獲ってしまいます。乱獲について一部が問題視していても、全ての漁業従事者がその解決に向けて同じ方向を向いているわけではないのが現状です。まとめるのは難しいですね」

 

漁師に明るい未来はある?

話を聞けば聞くほど厳しい漁師の現状に参加者も不安が拭えません。「漁師に明るい未来はあるんでしょうか?」という質問に、権田さんは力強く言います。

「どうすればいいかわからない、という状況ではなく、やるべきことはわかっているんです。漁業はこうあるべき、というのも全て見えているので、あとはそこに一歩一歩近づくだけですね」

 

LiV✕LiVEsで生まれる交流

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今夜もこんな素敵な出会いがありました。笑

LiV✕LiVEsでは普段なかなか知り合うことのできない人と交流できるというところが一夜店長に喜ばれています。今回はなんと、福岡市の魚屋の店長が参加していました。前回参加した女性が魚屋でバイトをしており、「次回は漁師の話!?それは店長を連れてこなきゃ!」ということで、実現したのだそう。

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鐘崎の漁師さんへ」ということで本を寄贈いただきました。行平さん、ありがとうございました!

他にも「魚で、まちづくり!」という本の著者で大学の地域共創学部の講師の参加も!直接漁師さんから生の声が聞けるということで、店内はいたるところで賑わっていました。一夜店長の二人もカウンターから出て参加者と一緒にいろいろな話ができたようです。

 

生き残っていくために

農地と違って明確に線引できない海での乱獲や、ある種の魚だけを獲らないことで乱れてしまった海の生態系の問題など、課題は山積みです。それでも、これからの漁業を担う彼ら若い漁師は決して諦めていません。

「この時代、この魚がどういう獲り方をされてどういうふうに自分たちのもとに届いたのか、それを踏まえて誰から買いたいのかを選べる時代になったんじゃないかと思います。自分たちのそういう想いや行動を発信していくことが、自分たちが生き残れるかどうかにかかってくると思っています」

今後も彼らの活動に注目していきましょう!

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宗岡さん、権田さん、ありがとうございました!

 

次回予告!

次回5月のLiV✕LiVEsは「宗像日本酒プロジェクト」に参画する3人です。
農業福島園の福島光志さん
農家の石松健一郎さん
山の壽酒の斉田 匡章さん 

これは農家・酒蔵・酒販店・飲食店・応援者(消費者)が「日本酒」を介して継続的につながり、関係性をつくっていくプロジェクト。

日本酒が好きなあなたも、飲めないけど酒米とそれをとりまく環境に興味があるあなたも、農家さんや酒蔵さんたちと交流してみませんか?

*「宗像日本酒プロジェクトFacebookページ」はこちら 

■5月のLiV✕LiVEsのイベントページはこちら

取材・文・写真:執行沙恵

月に一度、さまざまな一次産業に関係する人たちとカウンター越しに語り合うLiV×LiVEs(リヴ×ライブ)。毎月変わる一夜店長。普段なかなか知り合う機会のない彼らが、どんなことを思い、どんな仕事をしているのか、生の声を酒の肴に交流を楽しむイベントです。

過去の開催レポートはこちらをどうぞ↓↓
Part1:むなかた鐘崎の海女ちゃん
part2:川上農園の3代目、耕太さんとしのぶさん

 

三夜目の店長はFrom Tomatoの佐々木さん

3回目のLiV×LiVEsは3月14日、初めて平日木曜の夜に開催されました。今月の一夜店長はFrom Tomato佐々木悠二さんと、その妻陽子さん。悠二さんはサラリーマンとして勤めていた前職を1年前に退職。新規就農して、一風変わったスタイルで農業を始めています。
陽子さんは悠二さんのつくるトマトを素敵な料理に変身させる専属のシェフで、このときなんと妊娠8ヶ月!座って休みつつもカウンターに立ってドリンクやお通しを出してくれました。今日はお二人からどんなお話が聞けるのでしょうか?

 

本日のドリンクとお通し

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トマトの赤が鮮やかな“燃えよ!SASAKI”

本日のオリジナルドリンクはトマトジャムを使ったカクテル、その名も「燃えよ!SASAKI」!ジンジャー入のトマトジャムをウォッカと炭酸レモンで割って、最後にカットトマトをon。爽やかさの中に生姜がピリッとしまり、最後にふわっとトマトが香ります。車でアルコールを飲めない方にはノンアルコールバージョンの「ソフトに燃えよ!SASAKI」を。トマトジャム、グレープフルーツ、炭酸水で同じように佐々木さんのトマトを楽しめるドリンクとなりました。

 

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カプレーゼとピクルス

クラッカーにトマトジャムとカマンベールチーズ、クリームチーズを載せたカプレーゼトマトのピクルスをご準備いただきました。トマトは中まで液が染み込むように中玉を使用、2日間じっくり漬け込んであります。にんにくがきいているうえ、トマト自体も味が濃厚でとても甘かった!この時点で十分美味しかったのですが商品化はこれから。参加者のみなさんの生の声を聞いて改良を加えていきたいとのこと。トマト自体はすでに古賀市のコスモス広場で販売されていますが、ピクルスの販売も待ち遠しいです!

 

今日のお題

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オーナー谷口と今日のお題

今日のキーワードは「トマト」「竹林」「バイオマス」。佐々木さんの取り組みを言葉だけで説明するのは難しいので、今回はラミネート加工した資料を準備。店内の壁に貼ってそれを見ながらお話を聞くことができました。

 

木造のビニールハウス

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古賀市の畑に建つ木造のビニールハウス

佐々木さんのハウスは古賀にあります。普通のハウスとは違い木造で、その数は14棟。どうして木造のビニールハウスなんでしょう?

 

 「ビニールハウスって正規の方法で立てようとすると10001000くらいかかるんですけど、その価格の根拠って不透明なんです。それがどうにも納得できなくて…。もともと建設業をしていてどういう設計をすれば物が建つかという知識はあったので、“とにかく安く農業を始める”というコンセプトで一から自分で作っていくことにしました。結果的には1/3~1/4の費用で建てることができましたよ」。その話にみんなが食いつきます。

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笑いも交えながら話に華が咲きます

「これは一人で建てたんですか?」
「もちろん友達とかに手伝ってもらってますけど、基本的には一人で組み立てられるようにしました。重量も軽くしてますし、高さも2mちょっとですね」。建てる過程では失敗して倒壊したこともあったそう。「昨日まであったハウスが、翌朝畑に行ったらなくなってたこともあります」と笑いながら話します。数々の失敗を繰り返しては改良を加え、今では台風にも耐えられるハウスになっているそうです。

 

 身近なバイオマス資源である竹林

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多くの山で見られる竹林

ところで「バイオマス」って何でしょう?
【バイオマス】とは「動植物などの生物から作り出される有機性のエネルギー資源で、一般に化石燃料を除くものを総称したもの」です。再生資源として注目されているもののまだそこまで実用化されていないのが現状ですが、佐々木さんは身近なバイオマス資源である竹林を農業に生かせないかと考えています。
「今は荒れた竹林を整備してたけのこ畑にしようとしてます。たけのこを生産しながらエネルギーも作れたらなと。農業を起点としてみんなにとって良いものを作っていけないか、それが目標ですね。」

 

佐々木さんてどんな人?

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参加者からの質問に答える悠二さん

木造のビニールハウスを自分で作ったり竹林でのバイオマスを農業に活かせないかと考えたり…佐々木さんて一体何者なんでしょう?なぜそんなことを考えるようになったのか、そのきっかけを聞いてみました。

もともと北九州の製鉄所に勤務していた佐々木さんは社内で陽子さんと出会い、結婚。その頃からいずれはバイオマスエネルギーに取り組みたいという想いが明確にあったそうです。
「でもバイオマスエネルギーを生み出す設備が作れてもエネルギーの使い道がないなと思っていて。何かないかなと思ったときに、農業用ハウスってそんなにむちゃくちゃエネルギーが必要なものでもないし、そこにバイオマスと親和性があるんじゃないかって思ったんです」そして佐々木さんは早速、当時住んでいたマンションのベランダにカインズで買ってきた簡易型のビニールハウスを設置し、トマトを作ってみます。それがまた意外に甘くて美味しかったのだそう!「これはいけるんじゃないか?」と思い現実的に構想を練り始めたタイミングで、子どもが生まれます。

 

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写真映えする美男美女夫婦!

佐々木さんが今の生き方を選んだのは子どもの存在が大きいそう。「会社に勤めながら、子どもが行きていく世の中ってどうなっていくべきだろうと考えました。そしてそれって他人任せにするものなのか?この子の生きていく世の中のために自分ができることはないか?って」。そして会社を辞めて独立する道を選びます。「自分も親父が頑張ってる姿を見てたんで、自分もそうやって挑戦する姿を娘に見せたいなと、そういう思いです」

会社を辞めて独立の道を目指すようになった夫を見て、陽子さんは反対しなかったんでしょうか?
陽子さん「反対はしなかったですね。彼の人生なので(笑)。私も手伝ったりはしますけど、彼も私にはしたいことをしていいって言ってくれていますし」。そんな奥さんの言葉を受けて悠二さんは、「いやぁ、ありがたいですよね。そんなことを言ってくれるから、逆に頑張らなきゃと思います。最近読んだ本に書いてあったんですけど、人生の道の分岐点に立ってさぁどっちに行こうかって迷ったとき、どっちかが正解でどっちかは地獄に真っ逆さま…ていうわけじゃないんですよね。どっちにも結局道が続いてくだけだから、どんどん進んでいくしかないんだって。どの道を選択しても、結局その先の努力次第だよねと。だから全部が実験です。」

 

これからしていきたいこと

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カウンター越しに交流

佐々木さんの農業はスタイルは、いろいろな人が少しずつ関わり成り立っています。「最近思うのは、いろんな人にこの活動自体を知ってもらわないと賛同者も得られないなということ。昨年はハウスを建てるのでいっぱいいっぱいでしたけど、今年は発信にも力を入れていきたいです。そんなときに谷口さんに声をかけていただいて、今日みたいな機会をいただいたのは本当にありがたかったです。失敗して凹むことも多いけど、今日みたいなイベントがあるとまたモチベーションが上がりますね

失敗を恐れずにいろいろ試していく佐々木さんの姿勢や言葉から、これからの道が楽しみで仕方ない様子が伝わってきて周りにも伝播していくようでした。

 

店長からアンケート

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トマトについてのアンケートを準備してきていました

参加者からの生の声を聞くべく、アンケートを準備されてきていました!質問項目に対して当てはまる項目にシールを貼っていくタイプ。なかなか普段の生活では知り合えないし声を拾いにくい一般消費者の声をこの機会に存分に収集してもらえることは、主催側としてもやってよかったと思うのでした。

これからの佐々木さんの取組に乞うご期待ですね!

 

次回予告!

次回4月の一夜店長は鐘崎漁港の若手漁師、共進丸 船長 宗岡健一さんと、共進丸 機関長 権田幸祐さんです!

時代や環境の変化により漁獲量が減少し、魚離れが進む日本。「魚が捕れない・売れない・安い」現状が続き、今や風前の灯火である漁業。

そんな状況下でも自ら漁師になる道を選び、漁業を盛り上げるべく日々奮闘中しているお二人は、漁師の未来をどう描いていくのでしょうか。

どうぞお楽しみに!

 

4月のLiV×LiVEsの詳細はこちらから

 

取材・文・写真:執行沙恵

 

 

 

 

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